製缶工事を依頼する際に注意すべきポイントを紹介。高い技術力のある会社がおすすめです!


皆さんこんにちは。大阪府大阪市を拠点に、機械器具設置工事・配管工事・製缶工事を手掛けている株式会社大阪太平クリエイトです。


弊社の業務の1つとして、金属や鋼板を加工する製缶工事を行っています。製缶工事は板金特殊加工と混同されることもありますが、実は少し性質の違う工事であり、高度な技術力を必要とします。そのため、工事の依頼先はよく考えて選ばなければなりません。ここでは、製缶工事の内容や板金特殊加工との違い、金属を加工して製缶工事を依頼する際のポイントをご紹介します。




■製缶工事とは?



製缶工事とは、鉄やステンレスなどの金属を加工し、立体的な筐体(箱)を作る作業のことです。主に工場やプラントで使われる、気体や液体を貯蔵するためのタンクや水槽を製造します。その他、工場のダクトやフレーム、安全柵、足場、設備機器の部品などを作ることもあります。


また、一口に製缶工事といっても、施工する施設の規模はさまざまです。製造するものや施設の用途・規模によって、求められる作業は異なります。さらに、加工の際には曲げや溶接といった複雑な工程を経るのに加え、タンクや水槽を作る場合は、気体や液体が漏れ出ないように密閉しなければなりません。


そのため、製缶工事にはとても高度な技術力が求められます。工事の品質は担当する技術者の腕前にかかっていますから、工事の依頼先はよく考えて選ぶことが大切です。




■製缶工事と板金の違い


製缶工事と似たような作業としては「板金」があります。どちらも金属の板を加工する点は共通しており、同じ作業のように扱われることも珍しくありません。しかし実際には、この2つは少し性質の異なる仕事であることをご存じでしょうか?


製缶工事と板金の主な違いは、加工する素材の厚みや作る製品です。明確な基準があるわけではないのですが、板金は1mm~7mm程度の比較的薄い金属板を加工し、車や家庭用品といった身近なものを作ります。皆さんの身の回りにも、板金加工によって作られた品物が数多くあるはずです。


これに対し、製缶工事は7mm以上の厚みのある金属板を使用します。製造するものも、前述したタンク・水槽やダクトの他、鉄骨や機械・建物の部品といった専門性の高いものが中心です。大型で複雑な形状の製品も多く、もちろん価格や製造工程にも違いが生じます。分厚い金属板を使って、耐久性が求められるものを作るのが製缶工事だと考えてもいいでしょう。


そのため、金属加工を手掛けるメーカーも、製缶工事業者と板金加工業者に分かれています。同じ金属加工でも、実際の仕事内容や製品には大きな違いがあるので、依頼する会社を選ぶ際には注意が必要です。「金属加工ができるならどこでも同じだろう」とは考えず、具体的にどのような製品を作れるのかを確認するのが望ましいでしょう。




■製缶工事の流れ



製缶工事は、厚みのある金属板を加工して大きな製品を作るという性質上、その工程も複雑です。品質の高い製品を作るためには、1つ1つの工程を丁寧に行わなければなりません。製缶工事の基本的な流れをご紹介します。



1:設計

まずは製品の図面設計をします。基本的にはお客様からのご要望を図面に描き起こしますが、目的やご予算などをお聞きした上で、最適な施工プランを業者側から提案する場合もあります。品質の高い製缶工事をするためには、設計の段階から必要な精度やコストを意識し、図面を描くことが大切です。


特に製缶工事は、金属加工の中でも規模が大きくなりやすいため、コストを抑えつつ価値を高める「VA・VE提案」がより重要になります。VA・VEを実現するためには、ただ単に製品のコストを削るだけでなく、作業工程での「二次的加工」を避けるようにするのが大きなポイントです。


二次的加工とは、機械による曲げや溶接といった製缶工事をした後、さらに手作業で追加の加工をすることをいいます。二次的加工は余分な時間とコストがかかるだけでなく、品質低下につながる場合もあるため、できるだけ回避しなければなりません。


二次的加工が必要になるかどうかは設計の段階で判明するので、この段階でいかに二次的加工を避ける提案ができるかが重要です。設計の段階からこういった点に配慮してくれる業者が、本当に優れた技術者だといえるでしょう。



2:切断・抜き加工

切断・抜き加工は、素材となる金属の板から、必要な大きさ・形状の部品を抜き取る工程です。主にレーザーやタレットパンチといった機器を使い、正確に部品を抜き取ります。素材や製品の用途に応じた加工機器を選ぶことが重要です。


なお、切断加工に使われる加工機械にはさまざまな種類がありますが、金属加工メーカーによっては特定の素材しか加工できない場合や、レーザー加工機器などの高性能な機械を導入していない場合もあります。希望する素材の切断・抜き加工に対応しているのかどうかは、事前に必ず確認しておきましょう。



3:曲げ加工

抜き出した金属材料を曲げて、任意の形状に加工する工程です。「ダイ」と呼ばれている型の上に金属板を乗せ、押し金型やプレスブレーキなどを使って折り曲げます。型曲げやフランジ成形など、さまざまな加工方法があります。


機械を使って一瞬で折り曲げることも多いため、単純で簡単に見えるかもしれませんが、曲げ加工はとても繊細な作業です。製缶工事ではミリ単位の精度が求められることも多く、曲げ加工に問題があると、安全で高品質な製品は作れません。素材に負担の少ない加工方法を選ぶとともに、図面通り正確に加工することが大切です。



4:溶接

溶接とは、金属部材同士を接合させる作業をいいます。たとえば、丸く曲げた金属板の端同士を溶接すれば筒になりますし、その上下に丸い板を溶接すれば容器ができます。頑丈で隙間のない製品を作る上で、とても重要な工程といえるでしょう。


また、溶接にはいくつかの種類があり、素材や製品の用途に合った溶接方法を選ぶことが重要です。よく使われる溶接方法としては、MIG溶接やTIG溶接が挙げられます。


MIG溶接は、シールドガス(溶融金属を大気から遮断し保護するための機体)にアルゴンやヘリウムといった不活性ガスのみを使用する溶接方法です。TIG溶接は、タングステンという金属を電極に使い、不活性ガスを噴出させて無酸素状態にした上で溶接を行います。製缶工事を依頼する業者が、適切な溶接方法を扱えるのかどうかもチェックしておきましょう。



5:穴開け加工

組立時にボルトなどを固定するためのタップ穴を開ける工程です。一般的には、ドリルを取り付けたボール盤やラジアルボール盤などを使って穴を開けますが、旋盤やフライス盤による穴開け加工もしばしば行われます。また、近年ではマシニングセンタ(自動工具交換機能を有するNCフライス盤)の普及により、マシニングセンタで他の加工と一緒に行われることも増えています。



6:機械加工

工作機械を使用し、より精密な加工を施す工程です。素材を1mm以下の精度で削るなどして、要求される形状に仕上げます。こちらも近年では、機械による自動制御で行うのが一般的です。



7:研磨加工

部品の表面を磨き上げて、溶接や切断といった加工処理の後を目立たないようにし、さらに光沢を出す工程です。主にバレル研磨やバフ研磨などの方法があります。



8:表面処理

金属素材の表面に被膜を形成し、耐食性・導電性・耐熱性などの機能を付与する工程です。工作物の用途に応じて必要な機能は異なるため、状況に合わせて行います。また、装飾性を高める目的で、塗装やメッキを施す場合もあります。


以上が一般的な製缶加工の工程ですが、製品によっては追加で特殊な加工を行うものもあります。近年では機械を使う工程も増えていますが、他の製品加工に比べると手作業で行う工程が多く、特に溶接については担当者の技術力に大きく依存しています。




■製缶工事を依頼する際に注目すべきポイント



製缶工事を依頼する際、どのような会社を選べばいいのか迷ってしまう方も多いと思われます。もし工事の品質に問題があれば、プラントや工場内のタンクから気体・液体が漏れ出したり機械が故障したりして、大きな事故につながりかねません。修理や交換のために工場も操業停止せざるをえず、多大な損害を被るでしょう。信頼できる会社を選ぶためには、どのような点に注目すればいいのでしょうか?


最も目を向けるべきポイントは、「溶接技術に定評があるかどうか」です。製缶工事は多くの場合、高い強度や気密性が求められる構造物を作ります。目的や用途によって、材料となる金属の厚みや種類、適切な加工方法にも違いが生じるため、熟練の技術を持っていなければ精度の高い溶接ができません。


つまり、製缶工事の品質は、溶接技術者の技量に大きく左右されるのです。トラブルを防ぎ、製品がその性能を十分に発揮できるようにするためにも、製缶工事は優れた溶接技術者に依頼する必要があります。工事の目的や求められる精度、コストの上限などを考慮し、設計から施工まで細かな配慮をしてくれる熟練の技術者を選ぶことが大切です。


具体的には、これまで手掛けてきた工事の内容や件数、溶接に関する資格の保有者が在籍しているかどうかなどをチェックしましょう。実績の豊富さや所属するベテラン職人の人数は、そのまま会社の信頼性につながります。さらに、実際に加工してほしい製品の施工実績が豊富な会社なら、より品質の高い工事が期待できます。




■まとめ



製缶工事によって作られるタンクや水槽は、工場やプラントには欠かせない設備です。板金工事と比べると、より厚みのある金属板を加工する必要があります。大型で重要度の高い製品を作ることも多く、高度な技術力がなければ精度の高い施工はできません。


そのため製缶工事は、優れた溶接技術者が所属する、実績豊富な会社に依頼することが大切です。会社の規模や知名度だけにとらわれず、本当に信頼できる製缶工事業者を選んで、高品質な製缶工事を行ってもらいましょう。




■大阪の製缶工事なら、高い溶接技術を持つ大阪太平クリエイトにお任せください!



大阪太平クリエイトは、工場やプラントにおける機械器具設置工事・配管工事・製缶工事を行っている会社です。機械の設置からメンテナンスまで、ワンストップで幅広く対応し、オーバーホールも手掛けています。町工場から大規模な工場まで、幅広い施設の工事に対応可能です。


人材育成の一環として資格取得に力を入れており、溶接に関する資格を持つ経験豊富な職人が多数在籍。高い溶接技術を用いて、タンクの液漏れ防止など工場の安心・安全を守りながら、高品質なサービスをお届けしています。ワンストップ体制を活かしたスピード感のある対応ができるのも強みです。


モットーは「できないと言わない」こと! 常にお客様に寄り添い、どのような工事にも対応し、ご要望を最大限に反映させた施工を行います。製缶工事をご検討の際は、ぜひ大阪太平クリエイトにご相談ください。


■関連記事

》機械の据付からオーバーホールまで対応! ワンストップ工事のメリットを解説