溶接の資格にはどんな種類がある?経験別に取るべき資格をわかりやすく解説!


皆さんこんにちは。大阪府大阪市を拠点に、機械器具設置工事・配管工事・製缶工事を手掛けている株式会社大阪太平クリエイトです。


金属加工に必要不可欠な溶接は、資格を持っていなくとも作業を行うことは可能です。しかし、溶接を仕事としスキルを高めていきたいのであれば、溶接に関する資格を積極的に取得したいものです。溶接の資格取得により、スキルが身につくとともに、安全に配慮した作業ができるようになります。


溶接の資格には複数の種類があり、経験に応じてひとつずつ取得するのがおすすめです。そこで今回は、経験別に取得したい溶接の資格について解説します。




■溶接の資格の種類は?



溶接の資格は、溶接方法や溶接するものの種類によって複数に分かれています。国家資格と民間資格があり、必要な溶接スキルも資格ごとで異なります。


ここでは、資格ごとの概要を簡単に紹介します。



【国家資格】


・アーク溶接等特別教育

アーク放電と呼ばれる放電現象を利用して、金属同士をつなぎ合わせる溶接方法です。この教育を受けると、アーク溶接作業者の国家資格が取得可能です。工場の事業所は、アーク溶接に携わる従業員にこの教育を受講させることが、法令で義務付けられています。所定時間の学科講習と実技講習を修了すると取得できるため、初心者でも合格率はほぼ100%です。


・ガス溶接技能講習

ガスバーナーを用いて金属を溶かし、溶接するための講習です。講習を受けると、ガス溶接作業者の国家資格が取得できます。溶接の初歩的な資格とされており、資格を取得した人物のみがガス溶接の仕事に携わることが可能です。


・ガス溶接作業主任者

ガス溶接作業者としての実務経験を3年以上積むと、受験できる資格です。ガス溶接の作業方法を決定し、現場で責任者として指揮をとります。資格取得の試験は学科のみであり、実技がない点が大きな特徴です。


・ボイラー溶接士

ボイラーは、燃料を燃やして水蒸気や温水を作り、発生した熱を発電や動力として活用する装置です。ボイラー溶接士の資格は、溶接の資格の中でも専門性が高くなっています。普通ボイラー溶接士・特別ボイラー溶接士の2種類があります。



【民間資格】


・溶接技能者

溶接技能者とは、様々な材料や方法で溶接を行うことができる技術者のことです。

溶接技能者の資格は、日本溶接協会が認証するもので、対象材料と溶接方法によって区分があります。例えば、アーク溶接作業者は、炭素鋼を対象に被覆アーク溶接の方法で溶接するもので、2日の講習と3日の実技講習を受講すれば取得可能です。他にも、ステンレス鋼やチタン、プラスチックなどの材料や、ティグ溶接やマグ溶接などの方法に応じた資格があります。

ただし、PC工法溶接技能者の資格は平成29年から日本溶接協会における試験実施が中止されたので注意が必要です。


溶接技能者になるメリットは、ものづくりの現場で活躍できることや、資格によっては法令や発注仕様書などで要求されることがあることです。また、溶接技能者は国際的にも認められた資格を取得することができます。例えば、ISO 9606-1 に基づく溶接技能者評価試験は、欧州連合(EU)や国際標準化機構(ISO)などが定めた国際規格に沿った試験です。


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・溶接管理技術者

溶接に関するスキルに加え、作業管理や施工計画を担当するための民間資格です。官公庁からの工事を受注するには、資格保有者の常駐が必須条件となっています。溶接管理技術者のニーズは高く、溶接作業が必要な橋梁・造船・海洋構造物・化学プラント・機械工場・エネルギー施設などの現場で特にこの傾向が見られます。


管理技術者の試験は、2級・1級・特別級に分類され、各級で可能な業務が異なります。最も上位の級は特別級であり、筆記試験が2つに分かれることで難度も高い級です。


・溶接作業指導者

溶接現場において、溶接設計や作業工程などの業務を指導する立場です。指導者に対して、資格取得は義務化されていないものの、取得しておくと溶接のスキルを証明できます。資格取得できるのは満25歳以上で、溶接技能資格の保有・一定の実務条件・講習の受講・学科試験の合格が必要です。




■溶接技能者とは?



溶接技能者とは、JIS(日本産業規格)やWES(日本溶接協会規格)などの規格に基づき、溶接を行う作業者に対する資格です。溶接技能者を認定するための資格試験は、日本溶接協会が実施しているため、国家資格ではなく民間資格に該当します。


溶接技能者の資格には、手溶接(アーク溶接・ガス溶接)・半自動溶接・ステンレス鋼溶接・チタン溶接・プラスチック溶接・銀ろう付け・すみ肉溶接・基礎杭溶接・石油工業溶接の9種類があります。各資格には基本給と専門級が設けられており、受講資格も異なります。基本級は、下向き姿勢における溶接の技術が問われ、専門級では立向き・横向き・上向き姿勢での溶接ならびに管の溶接の技術が必要です。


溶接技能者の資格は、初心者では取得できず、実務経験がある人を対象にしています。誰でも簡単に取得できるものではありませんが、自身の技量を証明できるため、多くの受験者がいます。


溶接技能者は、一度資格を取得したら技術が継続できるものではありません。常にトレーニングを積み、資格に関係する仕事や作業を継続することで、技術が継続できます。また、溶接作業は視力の変化など技能者本人の健康状態によっても、でき具合が変わってくるのです。このため、溶接技能者資格は登録日から1年間の有効期間が設けられています。有効期間を延長する場合は、サーベイランスと呼ばれる審査の受講もしくは再評価試験の受験が必要です。


弊社では、JISやWESをはじめ溶接に関する資格を持つ経験豊富な技術者が複数在籍。人材育成の一環として資格取得にも力を入れており、資格取得にかかる費用を負担するなどの資格取得サポートも行っています。




■どの溶接の資格を取ればいい?経験別に紹介!



ここまで紹介したように、溶接に関連する資格は複数あるため、どの資格を取れば良いのか迷ってしまう人もいるでしょう。各資格には、溶接経験の有無や難易度が設けられているため、経験に合わせて受験する資格を以下のように選びましょう。



・未経験の方

溶接作業が未経験の方は、ガス溶接技能者もしくはアーク溶接等の業務に係る特別教育(アーク溶接作業者)の資格から取得しましょう。ガス溶接技能者は、2日間で14時間の講習受講により取得できます。アーク溶接作業者も、2日間で11時間の学科に加え、1日で10時間の実技を受けると取得できる資格です。


「溶接技能者とは?」の項で解説したように、溶接技能者と名称がつく資格は複数あるため、最初は混乱してしまうかもしれません。アーク溶接に関する資格は、アーク溶接作業者の他にアーク溶接技能者試験もありますが、こちらは実務経験がある人に向けた資格です。間違えないよう、アーク溶接作業者の資格を先に取得しましょう。



・ある程度経験がある方

ある程度経験を積み、技術が身についてきたら、専門性が高い溶接技能者の取得を目指しましょう。特に、アーク溶接、ステンレス鋼溶接、半自動溶接の溶接技能者資格は需要が高いため、積極的に取得することをおすすめします。


溶接技能者に加え、溶接管理技術者の取得も検討したいところです。溶接管理技術者の概要については民間資格の説明の項でも触れていますが、級が上がるにつれ合格率も下がります。少し古いデータになりますが、2018年度に実施された溶接管理技術者資格認定試験における合格率は、特別給17.8%・1級22.4%・2級56.9%となっています。

特別級は、現場を統括できる施工管理能力を持つレベルです。1級は専門職務能力を持つレベル・2級は基本職務能力を持つレベルとされています。



・スキルアップしたい方

さらにスキルアップしたい方におすすめの資格は、ガス溶接作業主任者・ボイラー溶接士・溶接作業指導者などです。作業主任者とボイラー溶接士は国家資格・溶接作業指導者は民間資格ですが、いずれも難易度は最も高い資格ばかりです。


ボイラー溶接士のうち、特別ボイラー溶接士は、普通ボイラー溶接士の資格取得後、溶接実務が1年以上必要です。このため、先に普通ボイラー溶接士の資格を取得しましょう。




■溶接の資格の取り方は?



ここまで解説したように、溶接に関する資格は扱う素材や工法によって細かく分類されています。実際に資格取得を希望する際には、どの機関で教育を受けたり試験を受けたりすれば良いのでしょうか。



・国家資格

国家資格を取得するには、各都道府県に設けられている労働基準協会で受講します。労働基準協会では、特別教育の講習を数多く取り扱っています。


ただし、都道府県によっては特別教育を実施していないところもあります。労働基準協会以外の技術講習協会・溶接協会などの専門機関で、技能の特別教育を実施している場合もあるため、労働基準協会での確認が必要です。



・民間資格

民間資格は、資格試験を主催もしくは実施する指定機関へ申し込むと、受験が可能です。例えば、溶接技能者資格は日本溶接協会が認定しているため、受験するには各都道府県に設置された溶接協会などの指定機関へ申し込みます。




■まとめ



この記事で紹介してきたように、溶接の資格はひとつではなく、用途によって細かく分類されています。溶接の資格取得を目指すには、各資格で取り扱える溶接の内容や受験条件など、資格の詳細について理解しておくことが大切です。


溶接の資格を取得し、高い溶接技術を身につけることで一人前の職人を目指したい方は、大阪太平クリエイトでぜひ一緒に働きませんか。




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