皆さんこんにちは。大阪府大阪市を拠点に、機械器具設置工事・配管工事・製缶工事を手掛けている株式会社大阪太平クリエイトです。
工場では、製造・加工・計測などのために多くの機械や設備を使用します。そのためには、まず工場内に機械を搬入・設置しなければなりません。その作業が「据付工事」です。
設置する機械は重量物が多いので危険を伴い、正確に設置するためには高度な技術を要求されることから、据付工事は信頼できる業者に依頼する必要があります。ここでは、重量物の据付工事の手順や注意点について解説します。
■据付工事とは?
据付工事とは、機械や設備を指定の位置まで搬入し設置する工事です。簡単に思えるかもしれませんが、実は非常に高い技術力を要求されます。
まず、据え付ける機械は製造設備・空調設備・電気設備といった、産業用の大型機械が中心です。これらの重量は数百kg〜数tと非常に重く、人の力だけで運ぶことはできません。そのため、クレーン車やフォークリフトなどで機械を持ち上げ、所定の位置へ移動して設置するのが理想です。
しかし実際には、重機の進入できない狭い場所や段差のある場所、地下などで作業しなければならないケースも数多くあります。そのため、コロ車を使って人の手で引っ張ったり、特殊な道具や設備を使ったり、一度機械を分解したりといった工夫が求められます。
また、機械は適当に置けばいいわけではなく、指定された位置に正確に設置する必要があります。レイアウトや稼働効率、耐久性などの観点から、ミリ単位の正確さを求められることも多く、微調整を行うスキルが必要不可欠です。
さらに、重量物を運搬・設置するという作業は、大きな危険を伴います。安全に据付工事を行うためには、綿密な作業計画を策定し、適切な搬入方法を選択しなければなりません。このように据付工事は、とても奥の深いものなのです。
■据付工事の基本的な流れ
据付工事は高度な技術を必要とするため、専門業者に依頼して行うのが一般的です。初めて依頼する場合でも迷わないよう、据付工事の基本的な流れを確認しておきましょう。
①問い合わせ
まずは専門業者の情報を調べ、電話やメール、ホームページのお問い合わせフォームなどを利用して問い合わせます。据付工事を行う機械の種類や大きさ、希望する日時などについて簡単に伝えましょう。
②現地調査
業者が現地調査を行い、運ぶ機械の大きさや据え付ける場所、搬入ルート、床の耐荷重などを確認します。
③見積もり
現地調査の結果をもとに、業者が適切な搬入方法を選定し、見積もりや工程表を作成・提示します。これらを確認し、納得できたら正式に契約を交わします。
④準備
契約を交わしたら、本格的な作業計画を策定します。現場の状況によっては、特殊な工具の手配や仮設ステージの設置、そのための強度計算なども必要です。また、道路使用許可や特殊車両通行許可などの申請が必要になる場合もあります。難易度の高い作業であるほど、実際の工事よりも準備段階で時間がかかる傾向があります。
⑤現場作業
十分に準備を整えた上で、予定日に現場で据付工事を行います。詳しい内容は次項で解説します。
■据付工事当日の現場作業の流れ
据付工事はいくつもの工程に分かれています。安全かつ正確な工事をしてくれる業者を選ぶためには、基本的な作業の流れを知っておくことが大切です。据付工事当日の現場作業の流れを見ていきましょう。
①墨出し
まずは床や壁、柱などに設置の基準線を描く「墨出し」を行います。これがすべての基準になるため、図面を見ながら原寸大の設計図を正しく描き出します。
②経路養生
搬入作業によって損傷しないよう、搬入経路の養生を行います。据え付ける機械自体の養生が必要な場合もあります。
③区画設置
安全に作業できるよう、搬入および設置をする場所に作業区画を設置します。必要に応じて、コロ車を引っ張るための床アンカーとウインチや、段差を乗り越えるためのスロープ、足場、ステージなどの設置も行います。
④機械搬入・移動
機械を搬入し、コロ車や電動台車などを使って据付位置まで移動します。周囲のものに接触したり、台車から落下したりしないよう、慎重に移動することが大切です。
⑤設置・レベル調整・固定
据付位置まで移動したら、小型クレーンや門型などを使って機械を下ろします。レベル調整(水平出し)も確実に行い、位置が定まったら強固に固定します。
⑥動作確認
設置された機械の動作確認を行います。実際に動かしてみた結果、問題があることがわかったら、位置の調整などを行う必要があります。
⑦立ち会い・最終確認
お客様の立ち会いのもとで最終確認を行い、問題がなければ据付工事は終了です。
■据付工事にはどのくらいの日数がかかるの?
据付工事を行う際に、必ずチェックしておくべき要素の1つが工事にかかる日数です。既設の機械の移転工事を行う場合は、工事が終わるまでその機械を稼働させることができません。新設工事の場合も同様で、設置が完了しなければ試運転を行うことも不可能です。
いずれも工場の操業に大きな影響を与えるため、据付工事はなるべく短期間で終わらせる必要があります。実際のところ、据付工事にはどのくらいの日数がかかるのでしょうか?
一概にはいえないのですが、一般的には短くて数日~長くて1ヶ月程度です。搬入先や作業内容によって、工事にかかる時間は大きく変わってくるため、このような幅が生じます。足場を組んだり専用の工具を作ったりする必要がある場合は、その分作業日数が増える傾向にあります。
そのため据付工事は、計画的に行うことが非常に重要です。事前に必要な日数を把握しておき、適切なタイミングを選び、最短の日数で工事を実施すれば、操業への影響を最小限にとどめることができます。
一方で、工事のスピードだけを優先して業者を選ぶのはおすすめできません。据付工事は常に安全に配慮しなければならず、正確な設置や設備の損傷防止など、注意すべき点がいくつもあるからです。これらをクリアした上で最短の工期を提示できる業者を選ぶのがベストだといえるでしょう。詳しい注意点は次の項目で解説します。
■据付工事の注意点
重量物の据付工事は、小さなミスから大きなトラブルにつながる可能性があります。安全かつ正確に施工するためには、さまざまな点に注意して工事を進めることが大切です。そこで、専門業者に据付工事を依頼する時は、以下の点に配慮しているかどうかを確認しましょう。
・安全な移動方法が取られているか
据付工事で最優先すべきなのは安全性です。数百kg〜数tもの重量物を運搬する性質上、もし機械が転倒したり落下したりすれば、人命に関わる大事故を引き起こすおそれがあります。そのため、どの工程でも安定して機械を移動できる方法を取らなければなりません。
たとえば、機械の上げ下ろしに使うクレーンやフォークリフト、運搬に使うコロ車などは、重量に耐えられるだけの強度を持ち、十分にメンテナンスされたものを使用する必要があります。常に複数人で安全確認をしながら作業に当たることや、必要に応じて補強作業・足場の設置・専用の道具作成などを行うことも大切です。
また、下記の基準値や損傷防止とも関わる話ですが、「ちょっとずれたかな」という時に、無理やり引きずって位置を調整するようなことは絶対にやってはいけません。たとえ微調整であっても、安全性・安定性は常に優先されるべきなのです。
・基準値に収まるよう取り付けられているか
機械の据付工事では、設置位置の精度の目安となる「管理基準値」を事前に設定します。据付の精度は、稼働の効率や耐震強度、メンテナンス性などにも関わる重要なポイントです。
そのため、機械・設備の構造や運用法を理解した上で、「最低でもこのくらいの精度」という適切な基準値を設定し、それに収まるように据え付ける必要があります。もちろん、できる限り強固に設置することも大切です。
施設の状況や機械の種類によっては、わずかなズレも許されない高精度での施工を要求される場合もあります。据付工事は決して「機械を置くだけ」の作業ではないことがおわかりいただけるでしょう。
・設備の変形や損傷を防ぐ措置を取っているか
機械を搬入・設置する時は、周囲の設備への接触や落下などにより、変形・損傷させてしまうリスクが常にあります。精密機械は、ちょっとした衝撃が加わっただけでも故障する可能性があるため、十分な注意が必要です。塗装がわずかに剥がれただけでも、機械の耐久性や寿命には小さくない影響を与えます。
また、運んでいる機械自体はもちろん、周囲の設備や施設自体を破損させるようなこともあってはなりません。「うっかりぶつけて壁に穴が……」「設備に傷が……」という事故は、運搬方法に不備があった時にしばしば発生します。
このようなトラブルを防ぐためには、適切な搬入経路を設定した上で、損傷を防ぐための養生を徹底する必要があります。さらに、狭い場所を通らざるをえない時は、電動台車などを活用し、精密かつ安定的に運ぶことが重要です。
・作業員全員が工程や注意点を理解・共有しているか
ある意味では最も重要なのが、実際に作業に当たる作業員の意識です。据付工事は1人でできるような作業ではないため、必ず複数人のチームで行います。正確な作業を行うためには、全体の統率が取れていなければなりません。もし作業工程や注意点を理解していない作業員がいれば、作業の不備や事故につながるおそれがあります。
そのため、作業員全体で工程や注意点などの情報を共有し、わずかなミスでも大きなトラブルにつながることをしっかりと理解しておくことが大切です。据付工事を依頼する時は、この点を意識できている会社かどうかも確認しておきましょう。
■まとめ
重量物の据付工事は、とても高度な技術を要求され、注意すべきポイントもたくさんあります。据付工事を成功させるためには、適切な移動方法や搬入経路を選び、綿密な作業計画を立てることが重要です。工場の操業にも大きく影響する工事ですから、まずは信頼できる業者に相談し、現場をよく確認してもらった上で作業計画を策定しましょう。
■据付工事なら大阪太平クリエイトにお任せください!
大阪太平クリエイトは、工場やプラントにおける機械器具設置工事・配管工事・製缶工事を行っている会社です。機械の設置からメンテナンスまで、ワンストップで幅広く対応し、オーバーホールも手掛けています。町工場や大規模な工場など、施設の規模を問わずに工事を行い、ワンストップ体制を活かしたスピード感のある対応ができるのも強みです。
モットーは「できないと言わない」こと! 常にお客様に寄り添い、どのような工事にも対応し、ご要望を最大限に反映させた施工を行います。専門資格を持つ経験豊富な職人が多数在籍しておりますので安全・安心です。据付工事をご検討の際は、ぜひ大阪太平クリエイトにご相談ください。
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